わたしのからだと地球に優しい美容のかたち|MARTHBOH(マースボウ)

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始まりは、高校3年の冬。
地元の美容室でアシスタントのアルバイトを始めた私は、すぐに手荒れに悩まされるようになりました。それが、長く続くアレルギーとの闘いの幕開けでした。
「誰もが通る道だよ」と言われ、手に軟膏を塗りながら働く日々。当時は誰も手袋を使っておらず、美容学校に通いながら働くうちに、症状は次第に悪化していきました。痒みで血がにじんだ手にステロイド軟膏を塗り、綿の手袋をして眠る毎日。それでも、美容師を辞めたいとは思いませんでした。

転機が訪れたのは、東京で働いていたある日。
手や腕にとどまっていた炎症が全身に広がり、アトピー性皮膚炎へと悪化。腫れ上がった指ではハサミを握ることさえできず、12年にわたって使い続けていたステロイドの影響か、体も思うように動かなくなっていました。
私はようやく、ステロイドとの決別を決意し、美容師の道を一度手放すことにしました。

ここから、私の「再生」が始まります。
ステロイドを断ち切るまでに2年。少しずつ体調を取り戻し、32歳でアメリカへ。語学学校から大学へ進学し、5年間を過ごしました。帰国後、再び美容の世界と関わる機会を得て、心の奥に眠っていた情熱がよみがえります。

「やっぱり、美容の仕事がしたい。」

けれど、もう以前のような無理はできません。
自分の体に負担をかけず、自分にできることだけをやる――そう決めて、私は「MARTHBOH(マースボウ)」を立ち上げました。

2008年6月、旭川市の住宅街に、椅子が一脚だけのプライベートサロンをオープン。
ヘナとカットを中心に、ナチュラルな素材を用いた施術を一人で始めました。使用するものすべて――シャンプー、リンス、掃除道具にいたるまで、手作りや自然素材にこだわった、体にも地球にも優しいサロンです。
しかし、こだわりの「ヘナ」にもアレルギー反応が出てしまうという、新たな試練が待っていました。それでも、手袋の二重装着やマスク、保護クリームの使用など、工夫を重ねながら、大切なお客様のために施術を続けています。

オープン当初は、16年のブランクもあり、ゼロからのスタート。
少しずつ広告を出し、ホームページを自作し、信頼を積み重ねていきました。
2013年には、森田先生との出会いをきっかけに「オーガニックヘンナ」に出会い、その高いトリートメント効果に感動。以来、サロンの柱として愛用し続けています。

現在では、週5日営業で月平均100名のお客様にご来店いただけるまでに成長しました。
森田先生の長年にわたるヘナのワークショップ活動や著書の出版などにより、「ヘナ」が世の中に広まり、地方の小さな美容室にも多くの影響を与えてくださったことに、深く感謝しています。

繰り返す皮膚炎やアレルギーと向き合いながら、自然に寄り添う暮らしを続けてきたことで、体も少しずつ回復してきました。
これからもこの場所で、ヘナを通して「健やかに、美しく生きること」を伝えていきたい。
そして、美容に携わるすべての方々にも、「本当の美しさとは何か」を考えるきっかけになればと願っています。