ヘナの施術を行う前に

美しい髪を取り戻すヘナを知る

艶やかな髪と健やかな頭皮の再生に 力を貸してくれるのが、 ヘナのもつ植物の力です。

植物名はHenna(ヘンナ)

ヘナは紀元前の古代エジプト時代から使われてきた植物で、ヘナの花の香りは聖書のなかで、「カンファイアー」とよばれ、知られています。また、クレオパトラがアントニウスと初めて会う時に、御座船の帆にしみ込ませたといわれている魅惑的な香水シプリナムも、ヘナが原料でした。葉には赤色色素ローソンが含まれ、古来より眉毛や爪、髪を染めるのに用いられていました。アラブ種の白馬のたてがみを染めるときに使うこともあります。和名の指甲花(シコウカ)も、指の爪を染めるのに用いたことに由来しています。
5000年以上の歴史をもつインドの伝承医学アーユルヴェーダでは、皮膚病予防、外傷、火傷などの薬として使用されています。
ヒンズー教では、美と幸運の女神・ラクシュミーが愛する植物として大切にされています。インドでは、祭り事や祝い事があると、女性はヘナで肌に模様を描く「メヘンディ」を施します。結婚式の前夜に花嫁の手足には華やかで緻密な模様が描かれます。

hennna

【科名】ミソハギ科
【学名】Lawsoniainermis
【和名】Henna(ヘンナ)
【自生地】指甲花(シコウカ)北アフリカ、東南アジア、インドの水はけのよい土壌で日のあたる場所

3~6mほどの低木樹木。葉は緑色で、長さ2cm、幅1cmほどの楕円形をしています。小さなクリーム色の花を咲かせ、ジャスミンに似た甘く強い香りをもっています。さく果には、三角形の種子がたくさん入っています。

自宅でヘナをする

ヘナによるトリートメント・カラーリングの方法は簡単です。ぜひ自宅で行なってください。慣れてしまえば、ヘナを塗って放置している時間も有効に楽しめるようになります。
回数は1か月に2~3回。理想は1週間に一度。このペースでヘナを続けると、トリートメント効果により、髪にコシがでて艶やかになってきます。長く続けるほど、髪の毛はきれいになります。若いときから、ぜひ始めてください。 ≫ ヘナのご使用方法
※生え際の白髪だけを染めたいときなどは、部分塗りも可能です。

はじめてヘナ施術を行う前に

自然の植物にアレルギーを起こす方もいらっしゃいます。使用前にパッチテストを行なってください。

パッチテストの方法
パッチテスト

1.腕の内側や耳の後ろなどの目立たないところを清潔にしてください。

2.粉を少量ぬるま湯で溶いてください。

3.粉を溶いたら綿棒で10円玉くらいの大きさに塗り、自然乾燥させ、そのまま触れずに2日間(48時間)おいてください。

※塗った直後や2日間(48時間)の間に、かゆみ、はれ等の異常を感じたら直ちに洗い落として染毛することをおやめください。
※塗った箇所が赤オレンジ系の色に染着しますが、日にちが経てばしだいに落ちていきます。

ヘナケア|髪の悩みを解決

ヘナはトリートメント効果が期待できます。髪が傷んでいるとき、クセ毛がうまくまとまらないとき、ヘナが力を発揮します。

髪が細くて少なく、ペタッとしてしまう

ヘナのコーティング力でハリとコシがでて自然なボリュームが生まれます。

多くてまとまらない

ヘナのコーティング力で髪が保水され、髪の広がりを落ち着かせます。

クセが強く、特に雨の日は大きく広がってしまう

ヘナのコーティング力で髪が保水されるので、クセが多少改善されます。1週間に一度の割合で、根元から毛先までしっかりとヘナを塗ることを続けると、新しく生えてくる髪質が変わってきます。

カラーやパーマで髪が傷んでいる

キューティクルが傷んで開いたまま、もしくは剥がれ落ちている欠損部分をヘナがコーティングします。手触りがよくなるだけでなく、髪の毛の中からタンパク質や水分が流出するのを防ぎます。

ヘナの葉には収れん作用があります。収れん作用とは、タンパク質と結合して組織を変性させ、組織や血管を引き締める作用のことで、肌を引き締めたり、炎症を抑えたりする働きのことをいいます。
髪の毛のキューティクルの主要成分であるケラチン(タンパク質の一種)を、引き締めるのです。定期的にヘナの塗布を繰り返すことで、収れん作用が活発に働き、髪の毛にコシとツヤがでてきます。髪の毛や頭皮が丈夫になり、抜け毛も予防されます。
髪が傷んでいたり、クセ毛で悩んでいたりする方も、ヘナを使用することで、コシのある艶やかな髪を得ることが可能です。ただし、化学の力ではないので、即効性は期待できないこともあります。すぐに効果がでなくても、最低4回は使ってみてください。若い方にはヘナを、美しい髪を守るトリートメントとして活用してほしいと思います。

ヘナケア|頭皮の悩みを解消

フケが気になる

フケは、頭皮が乾燥しているか、皮脂が多すぎる状態で起こります。ヘナを使うとヘナのコーティング力が乾燥を防ぎ、頭皮に詰まっている酸化した皮脂は、ヘナがからめとります。さらに、ヘナの抗酸化作用によって皮脂分泌の正常化を助けます。

頭皮が脂っぽい

ヘナは脂分となじみやすい分子を持っているので、髪や頭皮の汚れや余計な皮脂を取り除きます。頭皮環境を改善することで、毛穴がすっきりします。

ヘナケア|白髪を染める

髪や地肌を傷つけず、安全に染めたい

白髪をオレンジ色に染めます。黒髪に色の変化はほとんどありません。トリートメント効果があるので、抜け毛や白髪が増えるのを抑えることもできます。
100%天然植物のヘナ染めがすぐれているのは、安全だからです。化学合成染料のカラー剤のように髪を傷めたり、かぶれなどの皮膚障害を起こしたりする危険性はほとんどありません。

頭髪だけでないヘナの力 etc.

・体を冷やす
・UVカット
・頭痛をやわらげる
・肝機能の働きを助ける
・生理不順を防ぐ
・脱臭

ヘナには、髪をオレンジ色に染める色素ローソンに含まれるナフトキノンのほかに、クマリン、フラボノイド、タンニンなどの成分が含まれ、古来より染料や民間薬として利用されてきました。近年の研究においても、ヘナの葉の抽出物には抗菌・殺菌作用に加え、解熱作用、抗炎症作用、鎮痛効果のあることがわかっています。
ナフトキノンの働きとして、生理不順を整える効果があるといわれています。インドの伝承医学アーユルヴェーダでは、肝臓の障害に対してヘナの樹皮の煎じ液が利用されるなどしていました。

環境も守ります|使用後のヘナを流したときの環境汚染も、最小限にとど めることができます。もちろん、これはあくまでも100%天然植物のヘナの場合です。少しでも化学合成染料の入っているケミカルヘナではできません。