出逢う人が変化し、暮らし方も変わりました。ヘナを通して、お客様だけでなく、美容師である私たちの身体と心も健康であり続ける方法をみつけました。
アンシャンテがヘナの施術を始めたのは2009年。私がジアミンによるアナフィラキシーショックを起こし、呼吸困難になったことがきっかけでした。死も覚悟する恐ろしい経験でしたが、お客様のニーズやお店の経営を考えるとヘナ一筋とはいかず、ノンジアミンカラーやハーブカラーなど、少しでも安全?なヘアカラーも併用してヘナを扱っていました。その当時扱うヘナも100%ヘナであったはずが、ピクラミン酸が混入されていたり、なかなか安心安全なヘナに出逢えずにいました。
それから数年経ち2015年、消費者庁のヘアカラーアレルギーの事例が増加しているという注意喚起をきっかけに、もう一度自分たちの仕事を見直し始めた中、森田先生のワークショップに参加し、あるがままの美しい髪と人々の健康を考え、本物を追及される先生の姿勢に感銘を受けました。その後kamidokoに伺い、お仕事を拝見。先生と同じようにカットとヘナ専門でやっていこうと決断しました。
ヘナだけのお店にすると決め、まずはお客様への周知が必要です。こちらは体験者としてヘアカラーなどの薬剤の危険性をお話して理解していただくことと、ヘアカラーからの移行としてヘナの体験期間を3ヶ月ほど設けました。アンシャンテでは、パーマはカットの技法で、ストレートパーマはヘナをすることで必要なくなるという施術を以前より提案しており、パーマ比率は低いお店でした。問題は大半を占めるヘアカラーのお客様をヘナへ移行ができるかどうかでした。ですが、私たちの心配をよそに、カラーをされていたお客様からは、ヘナに変えての素晴らしい変化のお声をいただくことができました。髪の色目を気にされていた方も、私たちの真なる想いを伝えることで、「私もそろそろ髪や身体のことを考えたいから」というお声や、皆様から想像以上の同意と、数々の応援のお声をいただきました。
今思うと、私たち美容師以上に、お客様の方が不安や違和感を覚えていらしたのかもしれません。
2025年、アンシャンテはヘナ専門サロンとして10年目を迎えました。
現在も新規のお客様が途絶えることなく、10年前より増加しています。全てのお客様が髪と体の健康を考えてヘナを選択し、より安全性があるサロンを探しておられるので、ヘナオンリーにすることで他店との差別化になっています。
ご来店されるお客様には必ずセルフヘナの方法をお伝えして、「自分でやってね~アンシャンテに来なくてもいいよ~」とお伝えしているので、その後のご来店がない方も多くいらっしゃいます。馴染みのサロンがあったり、遠方より通っていただくことは大変なので、お近くのサロンにカットのみで通いながらセルフヘナを続けるようにお伝えします。アンシャンテはセルフヘナをする、きっかけ作りのサロンとしてお使いいただければ幸い。わずかなファンがついてくだされば、また幸いと思っています。日々美しい髪になったお客様の喜びの声を聞かせていただけることが、私たちには何よりのご褒美です。
経営面では、施術での売上が減ったとしても、日々変わる新たな商品や機械を導入する必要もなく無駄なコストはかかりませんし、一般的なサロンに比べて商品売上が増えるので成り立ちます。
ナチュラルな商品を扱うことで、環境に配慮できるお店にもなりました。店内は美容室独特の薬品の匂いもないので、お店では色んな会を開いて皆様に楽しんでいただいています。
この10年、出逢う人が変化し、暮らし方も変わりました。余暇の時間も増え、4年前には京都のお店から1時間ほどの場所にもう一つの拠点を作り、店舗も併設。田んぼや畑をしながら、農作業の合間にお店を開けています。こちらのお店では、技術料金を物々交換にしたり、お金では買えない豊かさを手に入れました。
数年後には、現在のお店をコンパクトにする予定。年齢を重ねて暮らし方も無駄をなくし軽く楽しむためです。
ヘナを通して、お客様だけでなく、美容師である私たちの身体と心も健康であり続ける方法をみつけました。 素晴らしいヘナと、生き方を教えて下さった森田先生に心より感謝申し上げます。